かもじんじゃ
三重県いなべ市大安町丹生川上 429
祭神は鴨別雷神、玉依姫命、旧郷社、創建などの詳細は不詳だが、『大安寺伽藍縁起并流記資材帳』に、天武天皇二年(六七四)奈良大安寺に寄進された「宿野原伍百町」の四至に東鴨礼とある。次に 『延喜式神名帳』..
祭神は鴨別雷神、玉依姫命、旧郷社、創建などの詳細は不詳だが、『大安寺伽藍縁起并流記資材帳』に、天武天皇二年(六七四)奈良大安寺に寄進された「宿野原伍百町」の四至に東鴨礼とある。次に 『延喜式神名帳』員弁郡十座の項の筆頭に鴨神社とあり、康安二年(一三六二)の『宮主秘事口伝抄』に「神祇官差遣御体御ト祓使事(中略)坐伊勢国鴨神(中略)社司等依過穢事崇給遣使料中祓可令祓清奉仕事」とあって、当時有名な神社であったことがわかる。(『三重県の地名』より抜粋)『員弁郡郷土資料』では、「鴨神社 員弁郡丹生川村大字丹生川上にありて式内郷社なり、祭神は鴨別雷大神、玉依姫命にして、相殿は伊邪那岐大神、伊邪那美大神、品陀和気大神なり、此の外合祀社として稲荷社外十二社を祀る、『大安寺縁起流起資材帳』並に『式内神社検録』に依り按ずるに、天武天皇の二年(六七四)に帝室より大安寺へ御寄付の墾田の四至に当社名の明記しある上は、即ち大正四年より遡り一二四二年前既に此処に鎮座ありしこと明なり(中 略)『諸社根元記』、『神名帳考証』『二二社 徴考』『二二社参詣記』『山城国式社考』により按ずるに、祭神は、鴨別雷大神、玉依姫命の二柱にして鴨の県主の祖神を祀れる社なり、鴨の県主の祖神が、神日本磐余彦 天皇中洲平定の砌、大功を樹てられしことは載せて国史に明なり」と記されている。特記事項 屋奉祭り この神事は京都の上賀茂神社より分霊を勧請したとき村人たちが松明をかざして出迎えたのがその始まりといい、一〇月二〇日の夜に行われ、近郷からの群衆で雑踏する。神事の次第は、 一、日没になり神主が夜火に火をつける 二、折本を三度打つ合図で夜火が消される 三、神宝を神前に供える 四、神主が祝詞を奏上 五、松明(長五メートル重さ九〇〇キロ)二個に神火をつける 六、大勢の若者がこの松明を掛け声勇ましく動かして鳥居の外に三度出る 七、挿弊を焼く。二献七献の行事がある 八、烏追い、飛び角力の神事がある※「員弁の歴史散歩」より抜粋◆大安寺伽藍縁起井流記資材帳◆本帳は天平一八年(七四六)に朝廷の命により大安寺の由緒、資材等の一覧を記したもの。次に鴨神社の関係分を抜粋する。(原書は、現在千葉県国立歴史民族博物館 にある)「伊勢国陸佰陸拾貮町、員弁郡宿野原伍 百町、開田三十町、未開田代四百七十町、四至、東鴨社、西山、南坂河、北丹生河」
《主》鴨別雷命 《配》玉依姫命 《合》伊邪那岐命,誉田別命,須佐之男命,市寸島姫命,天照大御神,火産霊神,大山祇神,菅原道真,
式内社(小)郷社
いなべ市指定無形民俗文化財 鴨神社「屋奉松明」(夜火松明)神事