一乗寺には、旧長田村の中央字中の町と呼ばれた所にあります。この寺は融通念仏宗の寺で、阿弥陀仏を本尊としています。
規則によれば、天正8年(1580)に観信という人が開基と伝えています。
寺には南北朝時代前後の作である絹本著、色善光寺阿弥陀三尊図が残されています。
善光寺阿弥陀三尊図は、鎌倉時代以降各地で信仰され、彫像は数多く伝わっていますが、仏画としての遺品はひじょうに少なく、一乗寺の三尊図は貴重なものと言えます。
近年の修理で三尊の部分は描き改められていますが、その下の須弥壇や不動明王・毘沙門天の二像の緻密な描法等は、当初の趣きを多分に残しています。
鎌倉期の余影をとめる善光寺阿弥陀三尊画像の貴重な遺品として、昭和60年1月23日に東大阪市文化財保護条例によって有形文化財の指定を受けています。