すいかんじ
滋賀県大津市園城寺町246
水観寺は、円城寺(三井寺)五別所の一つです。別所とは、平安時代以降、広く衆生を救済するため本境内の周辺に設けられた円城寺の別院で、当寺のほかに微妙寺、近松寺、尾蔵寺、常在寺があり、総称して「円城寺五..
水観寺は、円城寺(三井寺)五別所の一つです。別所とは、平安時代以降、広く衆生を救済するため本境内の周辺に設けられた円城寺の別院で、当寺のほかに微妙寺、近松寺、尾蔵寺、常在寺があり、総称して「円城寺五別所」と呼ばれています。昭和五十九年(一九八四)、本堂が滋賀県指定有形文化財に指定され、全面解体修理されることとなり、現在の場所へ移築されました。 当寺の歴史は深く、長久元年(一〇二八)、明尊大僧正の開基と伝えられ、中世最盛期には築垣を周囲に回し東西に総門を構える大伽藍でした。 明尊大僧正は小野道風の孫に当たり、顕密の奥旨を究め、円城寺長吏、天台座主を務められ、本朝唯一の八宗総博士に任じられた平安仏教界を代表する高僧であります。 創建当初、ご本尊には十一面観音を祀っていましたが、文禄四年(一五九五)、豊臣秀吉による円城寺闕所の際に失われたようで、江戸時代以降は薬師堂の薬師如来をご本尊として現在に至っています。本尊薬師如来は、一切衆生を病気、災難から救済する仏さまとして、今も近隣の人々の信仰をあつめています。
天台寺門宗
長久元年(1028)
薬師如来
長久元年(一〇二八)、明尊大僧正
明尊大僧正
西国四十九薬師霊場第48番
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