天武天皇の勅願により、大宝三年(675)鎮護国家の為に京都の京極に建立された。戦乱等の為に一時衰微したが、後陽成天皇の勅命により、天海大僧正が京都の山科に再興された。
第二十四世、圓照大僧正は将来の発展性を考え明治四十一年、現在地に移転を決意し、先ず庫裏を建て、次いで翌年、久迩宮家御下賜の聖天堂を現在地に移築し、大正九年本堂を建立して、御本尊、開運毘沙門天王を奉安す。更に昭和五年、動物愛護精神普及の為に馬頭観世音菩薩の造立を発願し、同八年完成をみるに至った。
馬頭観音大士は高さ6m(台座共10m)で青銅の馬頭尊としては我が国最大の尊像であり、その信徒は広く全国に及んでいる。
高松宮殿下には戦後2回ご台臨の上、青銅製香炉のご下賜があり、又、秩父宮妃殿下もご参詣の光栄に浴している。
阪神淡路大震災後、聖天堂を建立時のままに彩色修復、又庫裡を再建し、現在に至っている。