やしゃりゅうじんじゃ
岐阜県揖斐郡揖斐川町坂内川上871
福井県側では九頭竜川の支流・日野川の、岐阜県側では揖斐川の支流・坂内川の水源地といわれ、泉鏡花の小説や安八大夫の伝説で有名な夜叉ヶ池に最も近い人里のこの地に、池の守護である高龗神を奉斎する社です。 ..
福井県側では九頭竜川の支流・日野川の、岐阜県側では揖斐川の支流・坂内川の水源地といわれ、泉鏡花の小説や安八大夫の伝説で有名な夜叉ヶ池に最も近い人里のこの地に、池の守護である高龗神を奉斎する社です。 この地には嘗て夜叉姫が髪を洗ったといわれている「お洗い池」(髪洗池)が存在していました。 戸田氏初代の大垣藩主・氏鉄公は、西美濃の治水工事に力を尽くしましたが、夜叉ヶ池水乞い伝説に感銘し、正保4年(1647)、姫 縁の「お洗い池」のほとりに里宮・龍神社を創建しました。その後大垣藩領治水の鎮守として歴代藩主の崇敬篤く、時々の修復 建て替えも藩の奉献に依っています。 明治28年「ナンノ坂」が大崩落をして坂内川に堰塞湖(自然のダム)が出来、大雨の時にその堰が決壊し、川上村の大半の民家や夜叉龍神社もお地蔵さんも流失してしまいました。暫くは神霊を長昌寺に祀っていましたが、後、明治44年(1911)、川上の八幡神社に遷座されました。 昭和9年(1934)揖斐川電工株式会社(現イビデン株式会社)が川上発電所を開設するに際し、この地蔵平の故地に夜叉龍神社を復興しました。 御祭神の高龗(たかおかみ)神は、日本神話に登場する神で、罔象女神とともに、日本における代表的な水の神です。神話の神産みにおいて伊邪那岐神が迦具土神を斬り殺した際に、古事記及び日本書紀の一書では剣の柄に溜つた血から闇御津羽神とともに闇龗神が生まれ、日本書紀の一書では迦具土神を斬って生じた三柱の神のうちの一柱が、高龗神であるとしています。「龗」は龍の古語であり、龍は水や雨を司る神として信仰されていました。「闇」は谷間を、「高」は山の上を指す言葉です。 近隣には、岐阜県安八郡神戸町に夜叉堂(夜叉龍神社の別名)が、福井県南条郡南越前町の夜叉ヶ池畔に同名社が鎮座しています。
坂内川上(さかうちかわかみ)にある神社。