本社の創立年代は詳かでないが、境内林の樹叢、殊に亀山市指定天然記念物となっている大楠の樹齢が推定三五〇年であることから推して、四百年近い年月を経ていることは想像に難くない。社名の「於々奈気」についても諸説があるが、土地の旧家の文書や古老の言を総合して考えるに、「高倉天皇の御宇(一一六八‐七九)、淡路の国多賀宮の社家某が、小松内府重盛の男・資盛に従って当国に降り、資盛帰洛の後、某は髪を落して法皇山金剛寺に住んだという。この社家某がかってから信仰して止まなかった淡路の伊邪那岐神を勧請して土地の氏神社へ奉斎したという。淡路の伊邪那岐が転訛してオオナギとなったということである。この伝承を信ずれば、当社の創始は八百年以前にさかのぼることができよう。