永正7(1510)年に身延12世円教院日意が開創した寺。 当初は2末寺のある中本寺で、また当地方の身延山の触頭であった。本堂正面の額は身延36世六牙院日潮の染筆である。境内の夏心堂に夏心了道上人を祀るが、上人はもと幕臣であり、瘡毒を患い度々侮辱を受けていた。当地で恥辱を受けた時一撃のもとに相手を殺傷したが、深く懺悔して自決するに及んだ。「我は瘡毒に苦しみ今日の所行に及ぶ。自今、我と同じ病に悩む者あらば、信ずる者をば救わん」と遺言したので小堂宇を建て祀ったところ、霊験顕著に顕れ参詣者が絶えなかったという。 現在も皮膚病治癒・病気平癒の「夏心さんのお寺」として親しまれている。玉沢法縁。