さいぞうじ
山形県西村山郡河北町谷地乙19
西蔵寺は山号を延命山といい、神奈川県藤沢市にある遊行寺(清浄光寺)を本山とする時宗のお寺です。
元は一向上人を開祖とする時宗一向派(一向宗)のお寺で、当初は高関の東端にあった地蔵堂を仮の本堂と..
元は一向上人を開祖とする時宗一向派(一向宗)のお寺で、当初は高関の東端にあった地蔵堂を仮の本堂として、1337(延元2年)に大本山蓮華寺(滋賀県)の末寺である中本山仏向寺(天童市)第7世専阿上人超道大和尚が開創したと伝えられています。
その後、延命山地蔵庵として本堂が建立され、境内には、享保年間(1716~1735)の石造地蔵尊をはじめ、延命地蔵・水子地蔵・子守地蔵など約100体のお地蔵様が祀られていたそうです。
しかし、最上川の氾濫などの河川決壊により被害を受けることが多かったため、現在の地に移り、延命山西蔵寺となったとされています。
1866(慶応2)年4月11日の長延寺を火元とする「谷地の大火」のため、本堂と庫裡が焼失。記録が悉く焼失したため、残念ながらこれ以上の縁起は明らかになっておりません。
1889(明治22)年6月、尾長嶋村(現在の川西町尾長島)の光玉寺住職であった謙阿向善和尚が西蔵寺へ遷移。1891(明治24)年に総代・世話人の方々とともに、酒田の日蓮宗の廃寺となった堂宇を買い取り、今の本堂を建てたとされています。また、当時の庫裡は朝日町の大船木より農家の作業小屋を買い取り改築したものでした。いずれも最上川から船で運搬したと伝えられています。
一向上人を宗祖とする時宗一向派は、1942(昭和17)年、一遍上人を宗祖とする時宗遊行派に入る寺と、浄土宗に入る寺に別れましたが、西蔵寺は同じ町内の長延寺とともに時宗に留まりました。
延命山
時宗
1337年
阿弥陀仏
中本山仏向寺(天童市)第7世専阿上人超道大和尚
有り