奈良県御所市森脇。旧県社。祭神一言主大神。古くは葛城山頂にあったのを山下に移したという。『記紀』によれば、雄略天皇四年に、天皇が葛城山に猟をしたとき、対面して同じ様相をした者が天皇と全く同じ所作、言葉を発するものが出現し、天皇は恐れてこれを拝したという。一種の言霊であろう。貞観元年(八五九)従二位を賜う。同年九月幣を奉りて雨風を祈られる(『三代実録』)。『延喜式』に、名神大社・祈年・月次・相嘗・新嘗の案上官幣、祈雨の祭に預かる。正暦五年(九九四)中臣氏人を遣わして幣帛を奉り、疫疾放火に祈らしむること『本朝世記』にみえる。例祭九月一五日。春祭(四月五目)、秋祭(一〇月一五日)。同じ御所市に葛城御歳神社があり、延喜の名神大社でおんだ祭がある。貞観元年従一位に昇叙。また同市金剛山頂に国の史跡地金剛山葛城神社あり、修験道の道場であった。金剛生駒国定公園の中心、五月二五日大楠公祭がある。