おくやまはんそうぼうだいごんげん やくしるりこうにょらい(みなみおおさわ)
東京都八王子市南大沢2丁目7
南大沢の薬師様は御身丈約五十八センチメートルの一木造りで、一説によれば鎌倉時代の作ともいわれる、たいへん古く霊験あらたかな仏様です。仏様はご自身のことは何も語られませんが、ながい歴史のなかで、いつ..
南大沢の薬師様は御身丈約五十八センチメートルの一木造りで、一説によれば鎌倉時代の作ともいわれる、たいへん古く霊験あらたかな仏様です。仏様はご自身のことは何も語られませんが、ながい歴史のなかで、いつのまにか御腕などが失くなり、残念ながら現在完全なお姿をとどめておりません。 また、半僧坊様は、明治二十二年に、後醍醐天皇五百回大遠忌 (五百年目の法事) に因み、田倉富次郎さんが世話人になって寄附をつのり堂宇を建立して、方広寺から勧請 (お迎え) 奉祀したものです。 薬師様も半僧坊様も、最初は南大沢の東光寺というお寺に祀られていたものと思われますが東光寺が廃寺になってから後は、田倉さんが自宅の傍に土地を提供してそこにおまつりしたようです。 大正六年には青年会が主催して寄附を集め、堂宇の建て替えをした記録がありますが、その後は大震災、昭和の大不況、引続いての戦争などで、いつの間にか昔の記憶はうすらぎ、堂宇も朽ちてきましたが、田倉さんがひとりで仏様を守ってこられたといわれています。 今回ニュータウン建設事業にともない、多くの方々のご協力を得て現在地に新しく堂宇を建立し、昔からの由緒ある薬師如来と半僧坊大権理を奉祀し、あたり一帯を緑ゆたかな公園として整備いたしました。ここも、これからひらけゆく南大沢の小さなオアシスとして、住民のいこいの場所となることでしょう。 なお、明治時代に勧請した半僧坊様は、ご本体がはっきりしませんでしたので、昭和五十六年に改めて勧請したものです。そのご本体は卵形をした自然石で、高さ約二十五センチメートル。そして「心は卵のようにまるくなめらかに意志は石のように堅く保つ」ということを意味しているのだそうです。 昭和五十九年十月縁日 由木山蓮生寺二十一世
南大沢東緑地内に鎮座する堂宇 由木山蓮生寺が兼務していると思われる。
常時(参拝自由)
無料
10分未満(8分程度)
無し