やくしじんじゃ
山形県山形市菅沢13
お薬師さんの伝説
・・・・菅沢の薬師堂は,今から約400年前,戦火に巻き込まれ焼けてしまいました。 焼け跡の残る黒く焦げた土地にようやく緑が戻り始めた頃,一人の女の人に出会ったというわさが流れ..
・・・・菅沢の薬師堂は,今から約400年前,戦火に巻き込まれ焼けてしまいました。 焼け跡の残る黒く焦げた土地にようやく緑が戻り始めた頃,一人の女の人に出会ったというわさが流れ 出しました。その女の人は,村では見たことのない女性で大変美しい人でした。しかし,人が通りかかると 何か言いたそうにするのですが,道行く人が何度声をかけても何も言わず黙ったままです。そして, 何も言わずに後をついてくるだけなので,人々はとても気味悪がりました。 ある夜のこと,男の人が田んぼの様子を見に来ると,あぜ道にその女の人が立っていました。「こんな 夜おそくに女が一人でいるわけはない。これはきっとタヌキのしわざにちがいない。こらしめてやる」と 思い,持っていたクワを振りおろしました。そのとたん,「カーン」という思いもかけない音がひびき, 女の人は消えてしまいました。あまりの出来事に男は腰を抜かしてしまいました。 しばらくして,男があぜ道に何か不思議なものを見つけました。見ると薬師如来の像ではありませんか。 男はわけがわからず,そばの桜の木に像をたてかけていちもくさんに逃げ帰りました。 その後,女の人を見たといううわさは聞かなくなりましたが,今度は桜の木が毎晩光るようになりました。 「きっとあの女の人は薬師さまだったに違いない。お堂もなく土に埋もれていた薬師さまが我々をお呼びに なったのじゃ」と思い,人々は力を合わせて,焼けたお堂を建て直し,薬師如来の像を大切にまつったと いうことです。
ーネットの資料による。