当社は、寺の小字寺村と鯰尾の氏神で寺字寺村の橋から北上およそ300mの道路東側山麓に鎮座している。もともと北方の山地にあったが、参拝に不便なので昭和33年(1958)に現地に移して新築した。
本殿は銅版葺きの春日造、幣殿は瓦葺の切妻造、拝殿は瓦葺の入母屋造になっている。当社の創立年月は不詳だが、寺村検地帳に「延宝七巳未年五月藩主松平大和守様より当社々殿建立につき境内として地面八段歩奉納あり また七十年以前池田三左衛門様より同様の事云々」とあり、慶長14年(1609)には当社の存在が確認できる。
祭神は大年神で五穀豊穣祈願の神として信仰されているが、地元の人々は穀物の豊かさは、すなわち家の平安や繁栄につながると考えて、古くから地域の諸行事など、必ず村の鎮守さまを中心に計画されている。
また、明治44年(1911)に天神社(寺字前田・祭神菅原道真)を合祀しており、受験シーズンになるとこぞってこの村の子供達がお参りに訪れる。