もりこおおものいみじんじゃ
秋田県由利本荘市森子八乙女下99
由利本荘市森子の八乙女山中腹に位置する森子大物忌神社は、江戸時代には「薬師堂」と呼ばれ、大物忌神(本地 薬師如来)として崇拝されてきた鳥海山の登拝口(滝沢口)に建立された遥拝所です。
鳥海山..
鳥海山は、古代には国家の守護神として崇敬されました。中世になると、熊野信仰の東北地方への伝播と修験道の隆盛により、出羽国の中心的な信仰の山として崇拝され、山麓には遥拝所並びに修行の場として、六カ所の活動拠点が形成されました。 近世には、農業神としても崇敬されるようになり、鳥海山信仰が庶民に広く浸透した結果、東北一円から「道者(どうしゃ)」と称された参詣者が、山頂の鳥海山大権現を目指すようになり、特に、江戸時代中期以降、隆盛を極めました。 森子大物忌神社境内は、この鳥海山修験のひとつ、羽黒派滝沢修験の活動拠点であり、薬師三尊像と十二神将像(現存)を安置し祀ってきた薬師堂は、その中心的な役割を果たしてきました。境内一円は平成21年7月23日、国の史跡に指定されています。