長沼山正安寺は臨済宗円覚寺派。当初は天台宗 の 寺 院 で 能 満 寺 と い っ た 。 鎌 倉『 一 切 経 』 校 合 の 折に、親鸞聖人が当寺に7日間逗留した折に、当 時の住僧月応は聖人に帰依し浄土真宗に改宗した。
『長沼山正安寺縁起』には、村人も聖人の教えに勧 化され御同行になったとあり、当寺は「鎌倉入りの 草鞋ぬぎ寺」と記述されている。
改宗後 300 年ほどは浄土真宗の寺院であったが、 小 田 原 北 条 氏 に よる 念 仏 弾 圧 の た め に 、 とき の 住 僧海弁房は難が及ぶことを危惧し、鎌倉の円覚寺 に救いを求めた。その結果、円覚寺から許可を得て、 浄土真宗能満寺から正安寺と改称し臨済宗となり弾 圧の憂いを逃れることができた。