【白面金毛九尾の狐】
顔は白く、金色の毛並をしており、九つの尻尾を持つ。また、「玉面」とも呼ばれることから「白」の意味は元々「美しい」という意味で与えられた表現とも考えられている。強大な妖力の持ち主であり、その強さは全ての妖狐の中でも最強と云われる。
『白虎通義』では皇帝の徳が良いと現れる瑞獣の一つとして記されている他、「九」は子孫繁栄を示しているともあり、瑞兆を示す霊獣であるとしている。
中国では妲己、インドでは華陽夫人、日本では玉藻前に化け、帝を惑わし日本を我が物にしようとした九尾の狐は、陰陽師によってその正体を見破られ那須野が原に逃げ込んだ。朝廷は九尾の狐を退治することを命じ狐は伐たれたが、姿を石に変えその怨念は毒気となり近づく人や動物の命を奪う殺生石となった。室町時代になり命を受けた名僧源翁和尚がお経を唱え「喝っ」と杖を振り下ろし石は粉々に砕け散り、それ以来毒気は収まったという。
長寿で且つ知恵と術を持っていることからここに祠を奉り、商売繁盛、子孫繁栄、芸能成就、金運向上などの祈願をした。